生い立ち

 理窓光学会は、いずれも會田軍太夫先生を中心として1955年に
設立された愛光会(物理学校卒業生)と1972年に設立された光楽会
(理科大生)が併合し、光楽愛光会の名で活動し、さらに1979年
に本会に発展したものです。

 本会の設立にあたっては、會田先生のご快諾のもと、羽田稔
(羽田光機㈱社長)、鈴木正根(富士写真光機㈱研究部長)、
小野木文男(HOYA㈱取締役)、の各氏のご努力に加え、
大竹周一教授(東京物理学園常務理事)の多大なご支援があったと
伺っております。
 改めて設立当時の理窓光学会会則を読み返してみますと、光学界、
特に当時多くの場所で活躍されていた東京理科大学同窓生への強い
呼びかけや、後輩の学問研鑚に対する惜しみない協力の気持ちを感じ、
身の引き締まる思いがいたします。
 会則は第1章の名称から始まり、第5章のその他まで、518
にわたっております。

 ここに会則の1部である第2章をご紹介し、設立以来、今日まで
引き継がれている本会の精神をご理解戴き、諸先輩の一層のご支援
と、新たにご興味を持たれた方への入会をお願いする次第です。

 第2章 目的と研究活動

  第2   この会は光学および関連技術全般について互いに勉強し
合い、光学応用技術を向上させ、あわせて会員相互の親睦をはかる
ことを目的とします。

  第3    この会は前条の目的をはたすため、次の研究会及び
懇親会活動を行います。

(以下省略)

 本会の第1回講演会は1979年624日、理窓光学会設立記念
として開催され、大竹周一教授、鈴木正根氏がそれぞれ「物理の窓」
、「ホログラフィディスプレイ」の演題でご講演された。

講演会会場は大学内の一教室であったが、大学の創立100周年を
間近にして、学ぼう・学びた い・助け合おうの意欲に満ち溢れていた。
 設立当時は年1回~3回の講演会が企画された。運営は羽田、
鈴木、小野木の各氏を代表幹事とし、金谷(富士写真光機)、菊川
(富士写真光機)、吉川(松下通信工業)の各氏に、光学とは違った
領域の松野(会計担当)が大竹先生の一言「君はこの会の雑用を
やりなさい」で加わることになった。
 当時は今日ほどコンピュータやコピー機が発達しておらず、案内状の
印刷・宛名書き・発送・懇親会の準備など人手の必要とする事が多く、
1年を通し何かしら光学会の仕事を続けている状態だった。会の運営で
もっとも苦しかったことは資金面だった。会の運用費は講演会出席者の
会費ですべて精算する方式だったので、講師への謝礼はどんな方にも、
洋酒1本と講演会出席者の心からの拍手だった。
 物理学校依頼の伝統で同窓生にはご理解いただけたと思っているが、
時として同窓・理大教員以外の方にご講演をお願いしたときは、代表幹事
のお付き合いの深さに専ら依存するしかなかった。
 そんな状態だったので懇親会の突然の欠席や、印刷・発送費の不足分
などでは羽田氏に随分とご無理をお願いすることが多かった。
 設立当初からの会計簿を見ると羽田氏を最筆頭に多くの諸先輩の
「御寄付」という記載を随所に見出せます。
 昔日を回顧しつつ、改めて今日までのご厚情に会員一同になり代わり
まして厚くお礼申し上げる次第です。
 本来ならばここで御寄付を頂きましたすべての方々のお名前を挙げて
お礼申し上げるべきですが、紙面の関係で割愛させていただきました。

 会設立後2~3年の間に、會田先生、大竹先生が相次いで亡くなり、
大きな柱を失うことになりましたが、羽田氏に理窓光学会会長
(代表幹事兼)をお願いし、鈴木氏が運営委員長、小野木氏が委員長補佐
を担当する構成に再編成された。会員も設立当初の数十人から次第に増強
され、1982年当時に発行した会員名簿では約100名になっております。
このような会の基盤の強化・連絡網充実には、野田校舎理工学部の石黒先生
や山下先生のご協力が大きな力となりました。1993年、会の原動力でも
あった鈴木氏の突然の訃報は、本会にとっても大きな痛手であり、会の運営
の危機でもありました。しかし、羽田氏の強い信念のもと、本会の第2の船出
となりました。会の運営は羽田氏のご指導の下で我々が担うことになりました。
その後、羽田氏は1996年、満80歳を迎えられたのを機会とし、会長を
田幸敏治理工学部教授(前応用物理学会会長)にお願いされ御勇退されました。
1996年から2006年まで田幸会長のご指導の下会の運営は続けられ、
2006年それまで運営委員長をされていた松野直氏が会長に就任しております。

   現状とその展望

講演会の連絡はメール通信を中心とし、現在、会の運営は講演会費で行っています。
会員の世代交代はありますが、会員総数110名、講演回数67回、講演テーマ
数129、過去、名簿発行回数4回が設立以来36年間の本会の実績です。

201911月現在の構成メンバーは       

籾内正幸 (会長)        東京理科大学非常勤講師(S52B)        

中山伸一 (運営委員長)    (株)ニレコ技術顧問(S58B)       

山村史彦 (運営委員)      昭和オプトロニクス(株)(S58B)        

宮川一宏 (運営委員)     (株)ニッタン(H4PH)

阿部仁一 (運営委員)     (株)ニッタン(H6B)

齋藤一孝 (運営委員)     (株)QDレーザ(H9B)

錦織健太郎(運営委員)     (株)ニレコ(S62B)

松野 直 (顧問)       (S41B)


が中心になっております。

 東京理科大学の同窓は縦横の繋がりが弱く、また在校生と卒業生の繋がりに
至ってはさらに弱いと思われます。
 本会の、講演会開催の目的のひとつは、光学会を基盤として同窓が協力し
合える場を作ることです。そのためにはより速やかな連絡網の確立が必要で、
通信へのインターネットや電子メールの活用が有効です。
 事前の会員に対するアンケート調査で電子メール使用に関しては大多数の会員
より通信可の回答を頂いており、その結果をもとに通信方法をメール送信に変更
しております。
 同様にホームページの公開も重要との認識からで理窓会下部組織として
2003年から公開し、この度、2011年12月に、再開示の運びとなり
2016年リニューアルしました。

ホームページで講演会の事前情報および開催報告など充実した掲載をしていきます。

本会の「會田記念会」への協力

 1986年に會田軍太夫先生の功績を称え、會田未亡人と羽田会長の出資により
「會田記念賞」が東京・理窓会に籍を
置いて設立されました。
 会長は当時の理事長の橘高先生が就任され、年1回、10年にわたって理科大同窓
で光学界に功績があった方に授与し
併せて受賞記念講演をこの理窓光学会で同時開催
してまいりました。
 


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