理窓2014年4月号
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36 今回は一応一区切りということで、カクテルの王様と女王にまつわる話をしましょう。話の一部が「R18指定」的になっています。カクテルの王様マティーニ 基本的にジンとベルモットをステア(注・ミキシング・グラスに入れてティースプーンでかき混ぜること)してオリーブを添えるカクテルですが、ジンの銘柄、ベルモットの種類、レモン・ピール(注・小さく切ったレモンの皮をカクテルの上から軽く搾ること)するかしないか、ということで、一説には200種類以上のバリエーションが存在します。20世紀の初めまでは、ロンドン・ドライジン1、フレンチ・ベルモット1、オレンジ・ビターズ1ダッシュという配合だったとのこと。その後マティーニは年を追って増々ドライになり、どのくらいまでドライなマティーニを好むかということで、通ぶりを競った話があります。ウィンストン・チャーチルはベルモットの瓶を眺めながら、ジンをストレートで飲んだとか、執事にベルモットを含ませ「Vermouth」と囁かせたという。もう一つ、20対1のドライ・マティーニを注文した男がいた。バーテンダーは20対1で調合し「レモン・ピールはいかがでしょうか」と聞くと「よしてくれ。レモネードを飲みたいときは、はじめからレモネードを注文する」と答えたとか。ブラディ・メアリー 16世紀半ばのイングランド女王メアリー1世はカソリックで、プロテスタントを多数処刑しました。その残虐行為による色と相まって、ウォッカをトマトジュースで割るカクテルの名前がブラディ・メアリーになったといいます。またジョージという酔っ払いがあるバーに入ったところ、バーテンダーがいなかったので、カウンターにあったウォッカとトマトジュースを勝手にグラスに注いで飲んでいました。そこにメアリーという店員が現れて、酔っぱらいのジョージを罵倒しました。彼は驚きのあまりメアリーの白い前掛けにグラスの飲み物をかけてしまってから一言。「Aren’t you bloody Mary?」カクテルの女王マンハッタン マンハッタンは、例えばライ・ウイスキー1にスイート・ベルモット1ティースプーン、アロマチック・ビターズ1ダッシュにチェリーを1粒飾って作ります。甘口ですが、かなり強い。このカクテルに関して私自身が体験した意味深な話があります。あるバーで、男性客がこのカクテルを注文したところ、バーテンダーから次のようなことを言われていました。「マンハッタンは男性が一人で飲むお酒ではありません。それを飲んだ後にシャワーを浴びて体を拭くとスイート・ベルモットの甘い香りが全身から漂ってくるので、カップルが「Make love」の前に飲むカクテルです」と。因みに私は甘いカクテルはほとんど飲みません。ちちょっとしたょっとしたお酒お酒ののお話お話マンハッタンを飲んだ後は?マンハッタンを飲んだ後は?ギムレットギムレット(ペンネーム)(ペンネーム)66オレンジ・ビターズオレンジ・ビターズミキシング・グラスミキシング・グラス

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