理窓2014年10月号
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14・10 理窓19クを取り上げてスパゲッティの山に先端を突っ込む、というおきまりの一連の動作なのになんで、「タバスコ振りかけの段」がすっ飛んでしまったのだろう。マダラボケの典型的な事例というしかない。 「岩崎さんもマダラボケがはじまりましたね」と、Tさんからグループ入り歓迎の辞を頂く。ベッタラボケの仲間入りをしないように注意するしかない。もし山登りに親しんでいなかったら、とうの昔に歩けなくなっていて、ベッタラボケどころの騒ぎではなかったであろう。お互い実年齢より十歳以上は若いと、ヨイショし合った二日間であった。 スパゲッティが大好きである。家族で初めてスイスアルプスハイキングに出かけたときのこと。ハイキングの途上、あるいは街中でレストランに入る。メニューが横文字でなにがなんだか分からない。「パスタ」と書いてあるのだけは読めるし、料理も分かる。で、パスタを注文する。分かるのはそれだけだから、毎回注文するのはパスタ。子供から「おうちのお昼はいつもスパゲッティばかり」と言われた。ギャフン、そんな暗い過去にもめげず、スパゲッティが大好きだ。 味付けはトマト系が好き。いつだったかドロミテでフェラータ(ロックハイキング)を楽しんだ後、現地ガイドの両親が経営しているロッジで食べたトマト系のスパゲッティはおいしかった。今でも忘れられない。 ナポリタンであれミートソースであれ、粉チーズをたっぷりまき散らし(カミさんから太る原因だと指弾される)、タバスコをバカバカ振りかけて食べるのが好きなのだ。 話を近くの洋食屋さんに戻す。スパゲッティを注文し、待つことしばしで目の前にお皿が置かれた。粉チーズをスプーンに山盛りすくってスパゲッティの上に振りかける。雪が降ったみたいだ。ちょっと黄砂に汚染されているような色合いではあるが・・・。なあんてことを考えながらフォークの先にくるくる丸め込んで、パクッとくわえた。味がいまいちだなあ、待てよ、タバスコをかけ忘れたかな、と思って向いに座っているカミさんに尋ねる。「タバスコかけた?」「かけてないみたいだけど」、そっけない言葉が返る。 粉チーズをかける、タバスコをかける、フォー岩いわ崎さき元もと郎お  1945年3月、東京大井町に生まれる。東京理科大学中退。63年から69年まで昭和山岳会に在籍、登山の基本を学ぶ。 無名山塾主宰、日本登山インストラクターズ協会理事長。 ホームページ www.iwasaki-motoo.com問合せ先 撰事務所 〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-53-8 TEL 03(3942)0087  FAX 03(3942)0392※無名山塾及び遠足倶楽部 問合せ先 無名山塾 〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-39-2 フラット三栄1F TEL 03(3941)3481  FAX 03(3941)3482

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