理窓2014年10月号
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2914・10 理窓 数学の授業についても生徒に学ぶことの楽しさ・挑戦することの楽しさ・わかることの楽しさを実感できるような授業を心がけています。ですが生徒は数学に対する拒否感があり、挑戦する前からあきらめる生徒もいました。その時は、大学で学んだことを思い出し、基礎・基本を確実に定着させることに努めています。教師は授業が命です。自分にとっては2回目の授業でも、生徒にとっては初めて学ぶ内容なので常に興味をもってもらえる教材研究に励んでいます。 今私は同じ学校で数年勤務する楽しみがあります。それは、生徒の成長するところを見ることができるからです。1年間で学校が変わると、1年間の成長は見られましたがその教えていた生徒の卒業する姿が見られないもどかしさがありました。正規教員になることで、一人の生徒が入学してから卒業するまでの過程をみられる楽しさがあります。 高等学校は「社会の入り口」といわれます。この先も社会で生きていける力を身に付けられるような生徒を育てていきたいです。練馬区立小中一貫教育校大泉桜学園中学校教諭 正覚 真紀(平25理・数) 「生徒達は落ち着いているので生徒指導が少ないです。生徒の心をつかむには授業力が必要です」はじめて学校に行った3月末、副校長先生の口から出た印象的な一言でした。 私が中学校の教員を目指したきっかけは、中学校の恩師との出会いでした。中学2年生のころ、成績がなかなか伸びず悩んでいた私に担任の先生が「自分を見失わないようにね」と言ってくださったことで私は救われました。わかるまで丁寧に説明し、私の話に耳を傾けてくれた先生の後ろ姿をみて「私もこんな大人になりたい」と思ったことが教員を志すきっかけになりました。そのこともあり、生徒指導だけでなく教科指導にもしっかり力を入れなければいけない、という言葉はとても私の胸に響きました。 緊張して迎えた4月1日の朝、「おはようございます」という元気の良い生徒の声を聞き、「あぁ、教員になって学校で働けるのだな」と実感しました。中学校の教員になりたいと思い立ってから8年、やっとスタート地点に立てたと思いました。 平成25年度の教員採用試験では1次試験不合格。次の年は私立獨協中学高等学校と東久留米市立中央中学校で講師をしました。平成26年度の教員採用試験では無事合格し、正規の教員として今年から教壇に立つことができています。 学校の現状としては、とても落ちついた学校です。そのため、その中で私自身が生徒のために何ができるのか、しっかり考えて行動していかなければいけないと強く感じています。学校の経営方針と教育計画について4月の最初に校長先生からお話がありました。その中でも特に印象に残ったのが人権教育についてです。学校にはさまざまな状況の生徒がいて、その背景を考えた上でやっていかなければいけません。思った以上に教員の責任は重いですが、生徒一人一人と向き合い、関わっていく毎日はとても充実しています。 わからないことは先輩の先生方が教えてくださり、管理職の先生方も親身になって話を聞いてくださいます。教科の指導教官の先生も付いて授業や試験作成のアドバイスなどもしていただけるので、とても仕事がしやすいです。校務分掌といって授業や学年の所属以外にも仕事の割り振りがあり、私は特別活動に入っています。そこでは生徒会担当として動くことが多く、生徒と試行錯誤しながら行事の裏方やボランティアなどを行いました。ちょうど9月で前期の生徒会の任期が終了したのですが、子ども達が「達成感を感じている」「やってよかった」という言葉がこれからの私の励みになりました。 教員の仕事に終わりはありません。なかなか思うようにいかず悩むこともあります。しかし、日々悩みながらも子どもたちとともに私自身も成長して頑張っていきたいと思います。

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