********** 第54回理窓光学会定期講演会・実施報告*********
日 時 : 平成21年6月20日(土) 午後1時20分〜4時30分
場 所 : 理窓会館3階会議室

1)講演テーマ: 植物工場の現状と環境問題
講 師: シナジー研究センター 植物工場研究所所長 芦田 章 氏
講演要旨: 植物工場は1950年代後半に北欧で太陽光利用型が世界で初めて始まったといわれる。
1960年代に入り米国で人工光利用型が始まったが、採算が合わず途絶え、1970年代に
なって日本で本格的な研究開発が始まり、今や世界でトップクラスの技術を持つまでに
なった。最近になり、消費者の顔が植物工場製品に向けられるようになり、農水省、経産省も本腰を入れて産業化に向けて手を差し伸べるようになってきたことは隔世の感がある。
この動きの背景には、食の安心安全・安定供給、食料自給率の向上などがある。無農薬、新鮮長持ち、高栄養価という付加価値が認識されてきたことも大きい。一方、地球の環境破壊は狩猟から農耕文化に移ることで始まっており、人口増、工業の発達により環境悪化が進み、地球温暖化という地球の生物にとって存続の危機が招来してきた。植物工場は土地利用度が高く、地産地消、水資源利用の最小化、食糧増産に寄与し、地球の問題解決に大きく貢献することが見えてきた。
2)講演テーマ: 生物物理学と光計測
講 師: 東京理科大学理学部物理学科教授(嘱託) 山田 武範 氏
講演要旨: 生物物理学は、物理学の技術や物理学的な考え方を使って生命現象を解明するという、1950年頃に始まった比較的新しい研究分野です。我々が進めてきた筋収縮の分子メカニズムの研究は、生物物理学を代表する研究の一つです。筋肉の収縮は、アクチンとミオシンと呼ばれる蛋白質分子がフィラメント状に集まり、このフィラメントの束が互いに滑り合うことによって起こることが知られています。フィラメントがどのように滑っているかとか、どのような分子の変形によって滑る力が発生しているかが
問題となりますが、光計測はそれを解析するための重要な実験手段です。筋収縮の研究を中心にして、これまで取り組んできた研究の中で光計測を応用した例をいくつか紹介したいと思います。
講演会参加費 : 2000円(学生無料)
懇親会(同会場):午後4時30分〜6時20分 会費 : 3000円

芦田講師 山田講師 講演風景

講師と参加者 集合写真

懇親会風景 籾内運営委員長と芦田講師 山田講師と松野会長
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