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教職員部会長あいさつ(会報第45号より)

(2016/01/31)

理窓会千葉支部教職員部会長になって思い出したこと感じていること

千葉県立松戸六実高等学校 校長 鈴木隆文

 思い起こすと千葉県理窓会総会に初めて出席したのは、今から20年以上前の30代の後半のころでした。前会長の森本先生に大学の同窓の集まりがあるから来てみないかと誘われたのがきっかけです。その当日は台風直撃となり、そのため出席者も少ない総会となりました。このエピソードは事務局長就任の挨拶でも書かせてもらいましたが、それだけ台風直撃での総会が衝撃的で記憶に残りました。現在の千葉宿泊所は”ホテルポートプラザちば”で場所も千葉みなとになりましたが、当時利用していた”青雲閣”のことが懐かしく思い出されます。その総会で研修会に誘われ、訳もわからず研修会にも参加したのですが、今と違い一泊二日でした。理窓会千葉支部で一泊二日の研修会を行ったのはその年が最後になるため、まさに、記念すべき研修会に参加したことになります。先輩方に温かく迎えられ1日目の研修終了後に夜更けまで酒を酌み交わしたことが懐かしく思い出されます。もしかすると別の会であったかもしれませんが、前千葉支部会長の小倉先生が、結婚式に出席した後に礼服を着て会場にお見えになり反省会にだけ参加されたように覚えています。いずれにせよ、この年に総会と研修会に参加したことが、その後事務局で仕事をするきっかけとなりました。
 理窓会での諸先輩を含め様々な人との出会いが、私の教員人生に大きな影響を与えたのは間違いありません。今の自分があるのもこの会のお陰であるとも言えます。さらに、今年は東京理科大学と関係のある方お二人がノーベル賞をもらうという快挙を挙げてくださいました。正に、中根前理事長がいつもおっしゃっていた「日本の理科大から、世界の理科大へ。めざせエベレスト!”山は登ろうと思わないと登れない”」を実感できました。これらのことからも、この会の教職員部会長になったことは、大変感慨深いものがあり、また、責任もひしひしと感じている次第です。
 さて、現在我々を取り巻く教育環境は大きく変わろうとしています。まず、大きな関心としていわゆる新テストと呼ばれている「大学入学者学力評価テスト(仮称)」と「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の導入があります。予定では現中学1年生がこの試験を受ける最初の学年となるようです。色々と紆余曲折しているようであり、CBT方式の導入は少し遅れるようですが、現時点では何とか予定通りに実施しようとする動きがあります。「大学入学者学力評価テスト(仮称)」は、複数回実施を目標としておりそのことについては同意する方も多いようです。中身については、知識だけではなく知識・技能の活用力等を測定する観点から「合教科・科目型」や「総合型」の教科横断的名問題の出題になることや、記述式の出題もあるようです。さらに英語で民間の資格・検定試験を活用するとか、小論文・プレゼンテーション・集団討論・面接などを取り入れるなどが言われています。まだまだ具体的にはわからないことが多く混乱している状態といえます。このような中で、アクティブラーニングの導入などの授業改革を進めなければならないという機運は高まっていますが、教育課程の見直しなど他の対策については、まだどうすればよいか、明確にはわからない状況となっています。
 新テストの導入だけでなく、10年ごとに変わっている教育課程も社会科と理科で大きな改革が行われそうです。他の教科についても、恐らくは教科横断的な内容を備えた問題解決型の指導を目指すものとなるであろうと予想されます。
 また、18歳以上に選挙権を与える事が決まったので、平成28年の夏の参議院選挙では、現高校3年生の全員と2年生の一部が選挙権を持つことになります。そのため高校としては、国が作った生徒に配布する資料を使いながら参議院選挙までに現高校2、3年生に対して選挙の意義と選挙違反に関することを徹底的にたたき込まなければなりません。
 いつの時代も取り組まなければならない様々な問題があり、今だけが特別にたいへんなわけではありません。ただ、「いつもにこにこ研修の理窓会」の合い言葉がますます重要となってきたことは間違いがないようです。
 本会としては若手の発掘という大きな課題があります。引き続きこのことについては取り組んでいかなければなりません。任期は1年となりますが、理科大学及び本会の発展のために微力ながら力を尽くす覚悟でいます。また、皆様のお力もお貸しいただけますようお願い申しあげします。